2008年11月24日月曜日

ジョージ・R・R・マーティン「タフの方舟」1 禍つ星

前回読んだ短編集「サンドキングス」が期待した以上に面白かったので、次は「タフの方舟」を手に取った。商人タフが主人公として活躍する連作シリーズの第一巻だ。ジョージ・R・R・マーティンは、気軽に読める短編集やノンシリーズを体験してから、話題の「氷と炎の歌」シリーズに挑むつもり。

サンドキングズ」で見せた、読者を飽きさせないサービス精神は健在で、しかも、よりエンターテインメント指向になっている。ただ、個人的に好みだった幻想味が薄れてしまってる気がして残念。次々と繰り出される、バリエーション豊かな異星生物は面白いんだけどね。

収録されている三つのストーリーは、どれも楽しめる佳作揃い。特に、第二話の「パンと魚」は設定がユニーク、登場人物たちも印象深く、ストーリー進行のバランスも申し分ない。第一巻のハイライトである。

主人公のタフは帯や粗筋で謳っているほど、あこぎではない。むしろ、この巻だけ読むと思慮深い、しかし、どこか剽軽(ひょうきん)な人物に思える。これは第二巻の「天の果実」になると変わってくるのだが、それはまたそのときに。あと、猫かわいい。

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