タイトルが魅力的だ。これだけで購入に踏み切った。三部作の第一部であり、月に一度刊行されるらしい。
複数の個が精神活動を共有し、統一された意識をもつ、というネタは何度もみたが、これを文化的な側面から扱った作品はこの「プロバビリティ・ムーン」が初めてで、新鮮に感じた。
個にとって現実とは何なのか? いうまでもなく、我々もその一部を互いに共有しあっている。では、「わたし」と「あなた」の現実は同じなのか? 使い古されたテーマだが、そこに新しい光を当てるダイナミクスこそ SF の力だろう。
多視点の活用、登場人物の造形と描写、小説としての完成度も高く、たしかな筆力をもった作家である。他作品と比べてガジェットや異星種族との戦闘といった派手さでは劣るかもしれないが、そのへんは次作以降に期待したい。
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